EVシステムには、駆動用電池・ESU・オレンジ色の高電圧ケーブル・電気モーターなどの高電圧部位(公称約355.2V)や、冷却用ラジエーターなどの高温部位がありますので、ご注意ください。なお、高電圧部位などには、取り扱い上の注意を記載したラベルが貼付してありますので、ラベルの指示に従って正しい取り扱いをしてください。

システムの構成部品

イラストは説明のための例であり、実際とは異なります。

  1. ラベル
  2. 高電圧ケーブル(オレンジ色)
  3. ESU:Electricity Supply Unit(車載充電器・DCDCコンバータ内蔵)
  4. サービスプラグ
  5. 普通充電インレット
  6. 急速充電インレット
  7. 駆動用電池
  8. 電気モーター(駆動モーター)/インバーター(フロント/リヤ
  9. エアコンコンプレッサー
★:

グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。

知識

電磁波について
  • 高電圧部位や高電圧配線は、電磁シールド構造になっています。従来の車や電気製品とくらべて、電磁波が多いということはありません。

  • アマチュア無線の一部(遠距離通信)において、受信時に雑音が混入する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

駆動用電池(リチウムイオン電池)について

駆動用電池には寿命があります。駆動用電池の容量(蓄電能力)は、ほかの充電式電池と同様に時間の経過や使用状況にともない低下します。低下の程度は運転のしかた、充電のしかたなど、お車の使用状況や環境(外気温等)により大きく異なります。
これらはリチウムイオン電池本来の特性であり、不具合ではありません。なお、電池の容量が低下すると走行できる距離が減少しますが、車両性能などが著しく低下するものではありません。

容量低下を抑えるためには、駆動用電池の容量低下についての“駆動用電池の容量低下について”に記載されていることを心がけてください。

極寒の環境での始動について

外気温の影響により駆動用電池の温度が著しく低くなっている場合(およそ- 30 ℃以下)、EVシステムが始動できなくなることがあります。
その場合は気温の上昇を待つなど、駆動用電池の温度が上がってから再度始動操作をしてください。

適合宣言

この車両は、ECE100(バッテリー電気車両安全)に基づいた水素排出量に適合しています。

警告

高電圧・高温について

この車は、高電圧システムを使用しています。

次のことをお守りいただかないと、やけどや感電など重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。

  • 高電圧部位・高電圧の配線(オレンジ色)およびそのコネクターの取りはずし・分解などは絶対に行わないでください。

  • 走行後はEVシステムが高温になります。車に貼ってあるラベルの指示に従い、常に高電圧・高温部位に注意してください。

  • サービスプラグが床下の駆動用電池に設置してあります。サービスプラグは絶対にさわらないでください。サービスプラグは、トヨタ販売店での車両の修理時などに、駆動用電池の高電圧を遮断するためのものです。

事故が発生したとき

次のことをお守りいただかないと、感電など重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。

  • 続発事故防止のため、安全な場所に停車して、パーキングブレーキをかけ、シフトポジションをP にして、EVシステムを停止する

  • 高電圧部位・高電圧の配線(オレンジ色)などには、絶対にさわらない

  • 車室内および車室外に、はみ出している電気配線には絶対にさわらない

  • 液体の付着やもれがある場合は絶対にさわらない
    駆動用電池の電解液(炭酸エステルを主とする有機電解液)が目や皮膚にふれると失明や皮膚傷害のおそれがあり危険です。万一、目や皮膚に付着した場合はただちに多量の水で洗い流し、早急に医師の診察を受けてください。

  • 駆動用電池の電解液がもれている場合は、車両に近付かない
    万一、駆動用電池が破損しても、電池内部の構造により大量に電解液が流出することはありませんが、流出すると蒸気を発生します。蒸気は目や皮膚に刺激性があり、吸引すると急性中毒を起こすおそれがあり危険です。

  • 火気や高温のものを絶対に近付けない
    電解液に引火するおそれがあり危険です。

  • 万一、車両火災が発生したときは、ABC消火器を使用して消火する
    水をかける場合は、消火栓などから大量にかけてください。

  • 前輪(FF 車)または4 輪(4WD車)が接地した状態でけん引しない
    電気モーターから発電され、破損の状態によっては、火災のおそれがあり危険です。(→けん引について

  • 車の下の路面などを確認し、液体のもれ(エアコンの水以外)が見つかった場合、駆動用電池が損傷している可能性があります。できるだけ早く車両を離れてください。
    この場合は、トヨタ販売店に状況を連絡するときに併せてお伝えください。
    軽度な事故であっても、駆動用電池や周辺部位が損傷している可能性がありますので、事故にあった場合は、トヨタ販売店で駆動用電池の点検を受けてください

駆動用電池について
  • 絶対に転売・譲渡・改造などをしないでください。廃車から取りはずされた駆動用電池は事故防止のため、トヨタ販売店を通じて回収を行っていますので、ご協力ください。
    適切に回収されないと、次のようなことが起こり、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。

  • 不法投棄または放置され、環境汚染となるばかりか、第三者が高電圧部位にふれてしまい、感電事故が発生する

  • 装備された車両以外で駆動用電池を使用(改造などを含む)し、感電事故、発熱・発煙・発火・爆発事故、電解液漏出事故などが発生する
    特に、転売・譲渡などを行うと、相手にこれらの危険性が認識されず、事故につながるおそれがあります。

  • 駆動用電池を取りはずさないままでお車を廃棄された場合、高電圧部品・ケーブル・それらのコネクターにふれると、深刻な感電の危険があります。お車を廃棄するときには、トヨタ販売店で駆動用電池を廃棄してください。駆動用電池は適切に廃棄しないと、感電を引き起こし、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。

走行中の留意事項
  • 電気自動車は走行時にエンジン音がないため、周囲の人が車両の接近に気が付かない場合があります。車両接近通報装置が装備されていても、周囲の騒音などが大きい場合は、車両の接近に気が付かないことがありますので、十分注意して運転してください。

  • 車両床下に強い衝撃を受けたときは、すぐに安全な場所に停車し下まわりを点検してください。
    床下に駆動用電池の液もれや損傷が見られる場合、絶対に車両にふれず、すみやかにトヨタ販売店にご連絡ください。
    また、床下に異常が見られない場合でも、駆動用電池が損傷している可能性がありますので、車両床下に衝撃を受けた場合には、トヨタ販売店で駆動用電池の点検を受けてください。

改造について

車高を下げると、床下にある駆動用電池が衝撃を受けやすくなり、電池を損傷し、発火や車両火災などが発生し、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。車高を下げる改造は絶対に行わないでください。

緊急停止システム

事故により衝撃を受けたときなどは、EVシステムを停止して高電圧を遮断します。

この場合、EVシステムを再始動させることができなくなるためトヨタ販売店へご連絡ください。

警告メッセージ

EVシステムの異常やお知らせしたい事項が発生すると自動で表示されます。

警告メッセージは、マルチインフォメーションディスプレイに表示されます。表示された画面の指示に従ってください。(→充電に関するメッセージが表示されたときは, 警告メッセージが表示されたときは

知識

警告灯が点灯したときや、警告メッセージが表示されたとき、または補機バッテリーとの接続が断たれたとき

EVシステムを再始動できないおそれがあります。

もう一度始動操作をしてもREADYインジケーターが点灯しない場合はトヨタ販売店にご連絡ください。

駆動用電池が電欠になったとき

駆動用電池が電欠でEVシステムが始動できないときは、駆動用電池充電警告灯が消灯するまで、十分に充電(普通充電または急速充電[V2H充電])してから再始動してください。

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