EyeSightはさまざまな機能によって、運転者の判断を助け、安全・快適で疲れの少ない運転を可能にする運転支援システムです。EyeSightは2台のカメラ(ステレオカメラ)を用いた画像処理により、先行車や障害物、車線などを認識します。また、ソナーセンサーにより車両後方の障害物を認識します。

知識

EyeSightは、プリクラッシュブレーキが作動したときに次のデータを記録・蓄積します。会話などの音声は記録しません。

  • ステレオカメラの画像情報

  • 先行車との車間距離

  • 車速

  • ハンドルの操舵角

  • 進行方向に対しての横方向の動き

  • アクセルペダルの操作状況

  • ブレーキペダルの操作状況

  • クラッチペダルの操作状況(マニュアル車)

  • シフトレバーの位置

  • オドメーターの値

  • ABS、VSC、TRCの制御に関する情報

    トヨタおよびトヨタが委託した第三者は、記録されたデータを、車の研究開発目的に取得・流用することがあります。なお、トヨタおよびトヨタが委託した第三者は、取得したデータを次の場合を除き、第三者へ開示・提供することはありません。
    • お車の所有者の同意(リース車は借主の同意)がある場合

    • 警察・裁判所・政府機関などの法的強制力のある要請に基づく場合

    • 統計的な処理を行うなどの使用者や車が特定されないように加工したデータを研究機関などに提供する場合

警告

運転者には安全運転の義務があります。EyeSightの各機能特性にかかわらず、常に交通ルール・マナーを守り運転してください。運転時は常に先行車との車間距離や周囲の状況、運転環境に注意しながら必要に応じてブレーキペダルを踏むなど、安全運転に努めてください。

  • EyeSightに頼った運転は絶対に行わない。

    • EyeSightの認識性能・制御性能には限界があります。

    • わき見運転やぼんやり運転など運転者の前方不注意を防止したり、悪天候時の視界不良下での運転を支援する装置ではありません。また、あらゆる状況で衝突を回避するものではありません。

EyeSightは、運転者の判断を補助し、事故被害や運転負荷の軽減を目的としています。警報が作動した場合は前方や周囲を確認の上、運転者の判断でブレーキペダルを踏むなどの適切な操作をしてください。

EyeSightの認識性能・制御性能には限界があります。それぞれのページに書かれている警告を必ずお読みの上、正しくご使用ください。誤った使用をすると、適切に制御が行われず、思わぬ事故につながるおそれがあります。

右ハンドル車のEyeSightは、左側通行を想定して設計しています。右側通行の道路で使用する場合は性能が十分に発揮できません。

注意

  • 運転者にとって前方が見えにくい状況では、ステレオカメラも同様に前方の車両や障害物、車線を認識しづらくなります。

  • EyeSight前方の物体認識はステレオカメラの視野範囲に限られます。また、視野範囲に対象物が入ってから制御・警報の対象となるまでには数秒間かかります。

  • 次の状況では先行車や前方の二輪車、歩行者、路上の障害物、車線などが認識しづらくなります。また、EyeSightシステムが一時停止状態になる場合があります。状況が改善され、しばらく走行すれば、再び機能は動作します。

    • 悪天候時(強い雨、吹雪、濃霧など。特にフロントウインドウガラスに油膜が付着したり、EyeSight用ガラスコーティング剤以外を使用したり、性能が悪化したワイパーをお使いになった場合、一時停止しやすくなります)

    • 前方から強い光(太陽光などによる逆光や対向車のヘッドランプの光など)を受けたとき

    • ウォッシャーを使用しているとき

    • フロントウインドウガラス上の雨滴や水滴、汚れが十分に拭き取れていないとき

    • フロントウインドウガラスに曇りや雪、汚れ、霜、土埃の付着や傷などがついて、ステレオカメラの視界を遮っているときや、その汚れなどに光が当たっているとき

    • 荷物の積載などにより、極端に車両が傾いているとき

    • 先行車や対向車両の水や雪などの巻き上げや水蒸気、砂、煙、土埃などが舞い、視界が十分でないとき

    • トンネルの出入り口を通過するとき

    • 前方の車両の最後面が小さい(例えばトレーラーなど)、低い、または凹凸があるとき

    • 対象物がフェンス、均一な模様(縞模様やレンガなど)や模様の全くない壁、シャッターなどのとき

    • 対象物がガラスや鏡の壁や扉などのとき

    • 夜間またはトンネル内で、先行車の尾灯が点灯していないとき

    • 垂れ幕や旗、垂れ下がった枝、草むらなどを通過するとき

    • 急な上り坂、急な下り坂のとき

    • ステレオカメラの前を手でふさぐなどしたとき

    • 真っ暗で周囲に物がないとき

    • 周囲一面が同じような色合いのとき(一面に雪景色など)

    • フロントウインドウガラスへの映り込みにより安定した認識ができないとき

  • 次の状況では、EyeSightシステムが一時停止状態になる場合があります。状況が改善されれば再び機能は動作します。

    • 炎天下で放置した後など車内の温度が高いとき、または極寒の環境で放置した後など車内の温度が低いとき

    • エンジンの始動直後

  • 次の状況では先行車や前方の二輪車、歩行者、路上の障害物、車線などが認識しづらくなります。また、EyeSightシステムが一時停止状態になる場合があります。EyeSightシステムが一時停止状態になることが何回も発生する場合はトヨタ販売店に連絡し、点検を受けてください。

    • ステレオカメラのレンズ部に指紋などの汚れが付着したとき

    • ステレオカメラに衝撃などが加わり、ずれや歪みが生じたとき

  • スリップ表示灯が点灯しているときは、プリクラッシュブレーキ機能をOFFにし、クルーズコントロールを使用しないでください。システムが正しく作動しない場合があります。

ステレオカメラの取り扱いについて

ステレオカメラは、天井のインテリアランプ部分に装着されています。

  1. ステレオカメラ

注意

  • ステレオカメラ前面の汚れを自動で判定する機能を備えていますが、万全ではありません。
    状況によっては、ステレオカメラ前面の汚れ(曇りや油膜なども含みます)を判定できない場合があります。また、フロントウインドウガラスのステレオカメラ付近に雪や氷などが付着したときも、判定できない場合があります。このような状況では、システムが正常に作動しない場合があるため、フロントウインドウガラス(イラストのステレオカメラ前方の部分)はいつもきれいにしておいてください。なお、汚れを判定した場合は、定速クルーズコントロールおよびRAB(後退時ブレーキアシスト)を除くすべてのEyeSightシステムの機能が作動しません。

  • ステレオカメラは精密部品です。特にレンズ部の取り扱いについては、次の注意事項を守ってください。

    • ステレオカメラのレンズ部には絶対に触れないでください。また、レンズ部は清掃しないでください。万一、レンズ部に触ってしまった場合は、必ずトヨタ販売店にご相談ください。

    • フロントウインドウガラスを清掃するときは、ステレオカメラのレンズ部にガラスクリーナーなどが付着しないよう、レンズ部をコピー用紙のように埃の出ない紙で覆い、テープで固定してください。このとき、テープの接着面がフロントウインドウガラスおよびレンズ部に付かないようにしてください。清掃後は紙を忘れずに取り外してください。

  • ステレオカメラに強い衝撃や力を加えないでください。

  • ステレオカメラを取り外したり、分解しないでください。

  • ステレオカメラの取り付け位置を変更したり、周辺構造物の改造をしないでください。

  • トヨタ純正品以外のルームミラー(ワイドタイプミラーなど)、サンバイザーを装着しない。

    • ステレオカメラの視野に影響し、システムが正常に作動しない場合があります。

    1. ステレオカメラ
  • 下図の禁止エリア(グレー部)にトヨタが指定したアクセサリー用品以外の取り付けまたは設置をしない。

    • 禁止エリア外に置いた場合でも、光の反射やフロントウインドウガラスへの映り込みなどによりEyeSightシステムの動作に異常があるときは移動させてください。詳しくはトヨタ販売店にご相談ください。

  • 側面

    1. 外付けモニターなど
  • 正面

  • インストルメントパネル上に物を置かない。

    • フロントウインドウガラスへの映り込みによりステレオカメラが安定した認識ができない場合があります。詳しくはトヨタ販売店にご相談ください。

  • インストルメントパネル上面をケミカル剤などで光沢を持たせない。

    • フロントウインドウガラスへの映り込みによりステレオカメラが安定した認識ができない場合があります。

  • トヨタ純正品以外のワイパーブレードを装着しない。

    • ステレオカメラの視野に影響を与えるおそれがあります。

  • ワイパーブレードは早めに交換する。

    • 拭き残しによりステレオカメラが安定した認識ができない場合があります。

  • ボンネットやグリルの上など、車両前側にアクセサリー類を取り付けない。

    • ステレオカメラの視野に影響を与えるおそれがあります。

  • フロントウインドウガラス(外側、内側)は常にきれいな状態に保つ。

    • フロントウインドウガラスに曇りや汚れ、油膜などがあるとステレオカメラが安定した認識ができない場合があります。

  • 中央のエアコン吹き出し口に芳香剤などを取り付けない。

    • カメラ周辺のフロントウインドウガラスが冷えて曇る場合があります。

  • フロントウインドウガラス(外側、内側)にステッカーを貼ったり、アクセサリーを取り付けない。

    • やむを得ず取り付けなければならない(車検ステッカーなど)ときは、カメラの前面に重ならないようにしてください。

    • ステレオカメラの視野に影響を与えるおそれがあります。

  • フロントウインドウガラスにEyeSight用ガラスコーティング剤以外は使用しないでください。詳しくはトヨタ販売店にお問い合わせください。

  • フロントウインドウガラスにフィルムを貼らない。

  • フロントウインドウガラスに傷、ひびなどが生じた場合は、トヨタ販売店にご相談ください。

  • フロントウインドウガラスを交換・修理する場合は、トヨタ販売店にご相談ください。

    • トヨタ純正品以外のフロントウインドウガラスを使用するとステレオカメラが安定した認識ができずシステムが正常に作動しない場合があります。

RABソナーセンサーの取り扱いについて

リヤバンパーに、4個のソナーセンサーが取り付けられています。

  1. ソナーセンサー

注意

RABの正しい作動のため、次のことをお守りください。

  • ソナーセンサーまたは付近のリヤバンパー表面は、いつもきれいにしておく。

  • ソナーセンサーまたは付近のリヤバンパー表面にステッカーなどを貼り付けない。

    • 詳しくはトヨタ販売店にご相談ください。

  • ソナーセンサーまたは付近のリヤバンパーを改造しない。

  • ソナーセンサーまたは付近のリヤバンパーを塗装しない。

  • ソナーセンサーまたは付近のリヤバンパーへの強い衝撃を与えない。

    • 検知範囲に入った障害物を検知できないなど、システムに異常が起こるおそれがあります。強い衝撃を受けた際は、必ずトヨタ販売店で点検を受けてください。

  • ソナーセンサーを分解しない。

  • ソナーセンサーの修理、交換、またはソナーセンサー付近のリヤバンパーの修理、塗装、交換が必要になった場合は、トヨタ販売店にご相談ください。

  • 高圧洗車機などを使用するときは、ソナーセンサーに直接水をかけないでください。

EyeSightの機能について

EyeSightには、次の機能があります。

プリクラッシュブレーキ

前方の車両、歩行者や障害物に衝突する可能性があるとき、車間距離警報により、運転者の回避操作を促します。それでも運転者の回避操作がない場合、衝突の直前にシステムが急ブレーキをかけ衝突被害を軽減、または衝突を回避します。(→プリクラッシュブレーキ

全車速追従機能付クルーズコントロール(オートマチック車)/追従機能付クルーズコントロール(マニュアル車)

クルーズコントロールをセットしてセット車速を保ちながら走行し、同一車線内にいる先行車を認識した場合は、セット車速を上限とした追従走行を行います。(→全車速追従機能付クルーズコントロール(オートマチック車), 追従機能付クルーズコントロール(マニュアル車)

定速クルーズコントロール

一定速度を保ちながら走行するモードです。追従走行は行いません。EyeSightシステムが一時停止状態でも使用可能な場合があります(この機能は全車速追従機能付クルーズコントロール/追従機能付クルーズコントロールから切り替えて使用します)。(→定速クルーズコントロール

AT誤後進抑制制御(オートマチック車)

後退時、アクセルペダルの急な踏み込みなどによる急な後退を抑制する後退飛び出し抑制制御と、後退時の車速を制限する後退速度リミッターの2つの機能があります。(→AT誤後進抑制制御(オートマチック車)

車線逸脱警報

走行中、車線を逸脱しそうになると、注意を促します。(→車線逸脱警報

ふらつき警報

疲れやよそ見、ぼんやり運転、横風などによるふらつきを認識し、注意を促します。(→ふらつき警報

先行車発進お知らせ

先行車が発進しても自車が発進しない場合にお知らせします。(→先行車発進お知らせ

RAB(後退時ブレーキアシスト)(オートマチック車)

後退時に車両後方の壁などの障害物に衝突するおそれがあるときに、表示と警報音で知らせ、必要に応じてシステムがブレーキを作動させることで衝突を回避、または衝突の被害を軽減します。(→RAB(後退時ブレーキアシスト)(オートマチック車)

クリアランスソナー

後退時に車両後方の壁などの障害物に衝突するおそれがあるときに、表示と警報音で知らせます。(→クリアランスソナー

知識

EyeSightはエンジンがかかっていないときは作動しません。

スイッチ構成

ステアリングスイッチ

  1. (車間設定)スイッチ
  2. クルーズコントロールスイッチ
  3. ON-OFFスイッチ
  • クルーズコントロールスイッチ

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