マットクリア塗装とは

★:

グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。

メニュー
 
ブックマーク
あとで読む

自動車の塗装は、耐久性や仕上がりを目的として数層の重ね塗りが施されています。そのうち最も表面にあたるのがクリア塗装です。

一般的なクリア塗装は塗装面に艶を出して見栄えを良くする役割がありますが、マットクリア塗装はその艶を出さないようにすることで、独特の質感を表現しています。

この質感を少しでも長く保つためには、日常のお手入れや保管のしかたに気を配る必要があります。

一般的な塗装構造

イラストは説明のための例であり、実際とは異なります。

  1. 上塗り(クリア)
    下の層の塗装を保護する透明の塗装です。色に深みを与えたり艶を出したりして見栄えを良くする役割もあります。
  2. 上塗り(ベース)
    実際のボデーの色になります。
  3. 中塗り
    上塗りの仕上がりを良くする他、耐久性を向上させる役割があります。
  4. 下塗り
    ボデー(鋼板)を錆びにくくする役割があります。ボデーの内側にも塗られています。

一般的なクリア塗装とマットクリア塗装の構造の違い

  • 一般的なクリア塗装

    • 断面

      1. クリア
      2. ベース
    • 表面の拡大画像

  • マットクリア塗装

    • 断面

      1. 艶消し剤
      2. クリア
      3. ベース
    • 表面の拡大画像

イラストは説明のための例であり、実際とは異なります。

私たちが艶のあり/なしを感じるのは、物の表面に反射して私たちの目に入る光の量が関係しています。

一般的なクリア塗装は表面が平らで滑らかになっています。平らな面に当った光は、鏡に当った光のように一方向に正反射する量が多いため、目に入る光の量は多くなります。そのため、私たちの目には車のボデーに艶があるように映ります。

マットクリア塗装は、クリア塗料に艶消し剤を添加して表面に細かな凹凸をつけています。凹凸な面に当った光はいろいろな方向に拡散して反射するため、目に入る光の量は少なくなります。この効果によって、マットクリア塗装が施されたボデーは艶が消えたように見える独特の質感を表現しています。

マットクリア塗装のお手入れについて

お車の塗装表面に汚れが付着した場合は速やかに洗車してください。

(洗車のしかた→洗車のしかた(マットクリア塗装車)

  1. 汚れ
    表面に細かな凹凸があるため、一般的なクリア塗装よりもセミマット塗装は汚れが付着しやすくなります。
    そのまま放置すると、付着した汚れは塗装表面の隙間に入り込んでしまい落としにくくなります。また、凹凸のある塗装表面が平らに近づくことで艶が出てしまい、マットな質感が損なわれます。
    そのため、こまめに洗車して、汚れたままにしておかないようにする必要があります。
    通常の洗車で落ちない汚れを、マットな質感を損なわずに落とすためには、汚れを塗装表面ごと削り落とした後、部品全体を再塗装する必要があります。
    詳細はトヨタ販売店へご相談ください。

知識

落としにくい汚れ

次のような汚れは落としにくくなるおそれがあるため、付着した場合は速やかに洗車することをおすすめします。

  • 雨水、海水

  • 砂ぼこり、花粉、火山灰

  • 虫の死骸、鳥のふん

  • 樹液、落ち葉、花びら

  • 泥、雪、凍結防止剤

  • ガソリン、オイル、アスファルト

ワックスがけやコーティング剤の使用はしないでください

ワックスやコーティング剤は塗装を保護する被膜を形成します。マットクリア塗装では、この被膜が塗装表面の凹凸を埋めてしまいます。その結果、凹凸のある塗装表面が平らに近づくことで表面に艶が出てしまい、マットな質感が損なわれるおそれがあります。

キズの補修について

普段から塗装面に傷をつけないよう十分にご注意ください。

一般的なクリア塗装では、細かな傷を補修するために塗装表面を研磨したり、タッチアップペイントで塗装したりします。

マットクリア塗装では、そういった方法で傷を補修すると塗装表面の凹凸が削られたり埋められたりして塗装表面に艶が出てしまい、マットな質感が損なわれるおそれがあります。

マットな質感を損なわずに傷を補修するには、部品全体を再塗装する必要があります。

合わせて見られているページ

    このページは役に立ちましたか?