DC外部給電システム

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車両に外部給電器を接続することで、車両から外部へ電源供給を行います。車両の補機バッテリーから機器起動のための電力を供給することで、停電時にも電源供給を行うことができます。

DC外部給電システム

  1. 外部給電アウトレット
  2. 外部給電器

このシステムを使用するには、外部給電器が必要です。(車両には付属していません)

※1:

車両から電気製品へ電力を供給するために、車両から取り出したDC(直流)電力をAC(交流)電力に変換する機器。一般社団法人電動車両用電力供給システム協議会が発行する電動自動車用充放電システムガイドラインV2H DC版またはV2L DC版に準拠したもの。

※2:

外部給電器が系統連系機能を持つものは、給電できない場合があります。詳しくは外部給電器の販売業者にご相談ください。
車両側の出力定格はDC9kWです。ただし、接続する外部給電器の出力上限以上は出力されません。

※3:

急速充電器やV2H機器を使用して車両の充電はできません。

※4:

プリウスPHVなどのヴィークルパワーコネクタは接続できません。

警告

安全にお使いいただくために
  • 給電を行うときは本書および接続する外部給電器や使用する電気製品に付属の取扱説明書に記載されている注意事項を必ずお守りください。記載されている禁止事項を守らずに給電を行うと思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。

  • 外部給電器のコンセントは照明機器などの電気製品と直接接続して使用するものであり、家屋などへ電気を供給する発電機として使用しないでください。また、家屋などに設置されている外部電源と接続ができる専用設備、外部電源からの供給回路が電力会社からの電気配線と分離されている設備などに接続する場合は、当該システムの製造業者または販売業者にご相談ください。

  • 必ず所定の外部給電器を接続してください。ガイドライン(→DC外部給電システム)に準拠していない外部給電器を使用すると車両火災や感電事故が発生し、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。

外部給電アウトレットについて

外部給電アウトレットの改造や分解、修理などは絶対にしない

思わぬ故障や事故の原因になって、重大な傷害を受けるおそれがあり危険です。修理については、トヨタ販売店にご相談ください。

DC外部給電作業をする前に

必ず、以下の項目をご確認ください。

  • 換気のよい地面が固く平らな場所に駐車する

    輪止めの使用をおすすめします。輪止めはトヨタ販売店で購入できます。

  • パーキングブレーキをかける

  • シフトポジションをPにする

  • ヘッドランプを消灯する

  • 燃料残量警告灯が点灯していないことを確認する

  • パワースイッチをOFFにし、FCシステムを停止する

    FCシステム停止動作中(作動音が消えるまでのあいだ)にパワースイッチをONにすると、給電が開始しない場合があります。

  • 前回の給電停止から2分以上時間を置く

DC外部給電を開始するときは

  1. ボンネットを開く(→ボンネット
  2. 外部給電アウトレットのキャップを開ける
  3. 外部給電器の手順に従い、外部給電コネクターを外部給電アウトレットに挿し込む
    外部給電コネクターを挿し込むときに給電ケーブルがボデーに接触してしまうことがあります。 ボデーに傷などつかないようにご注意ください。
    外部給電コネクターの形状や取り扱い方法などは、外部給電器のタイプにより異なります。外部給電器の取扱書に従って、作業を行ってください。
  4. ブレーキペダルを踏まずに、パワースイッチを2回押してONにする
    メインディスプレイに“イグニッションON”と表示されていることを確認してください。ブレーキペダルを踏んだままパワースイッチを押すと、FCシステムが始動してしまい、DC外部給電システムが使用できません。
  5. 外部給電器の手順に従い、外部給電器の給電操作をする
    特定の外部給電器においては、パワースイッチがOFFになり、給電が停止する場合があります。そのときは、停止から2分以上あけてから、再度4から実施してください。
  6. マルチインフォメーションディスプレイに表示される使用上の注意に関する画面を確認し、メーター操作スイッチのを押す
  7. マルチインフォメーションディスプレイに給電状態が表示されます
    給電開始まで数秒かかります。
    外部給電器に接続した電気製品を操作して、使用してください。

知識

DC外部給電システムの使用中は
  • シフトポジションをPからほかのシフトポジションに切り替えることはできません。

  • 外部給電器の定格出力上限以上の電力を使用した場合、外部給電器が出力を制限したり、給電を停止したりすることがあります。

  • 車両側の定格出力以上の電力を使用した場合、車両が給電を停止することがあります。

  • ワイヤレスリモコンでドアの解錠・施錠をすることができます。使用する電気製品から発生するノイズにより、正常に作動しない場合があります。

  • オートアラームは作動しません。

  • ドアの開閉などにより、ブザーが鳴ったり、マルチインフォメーションディスプレイに“キーが見つかりません キーの所在を確認してください”と表示されたりすることがあります。

  • 気温が低いときまたは高いときは、出力を制限または停止することがありますが、異常ではありません。その場合、使用する電気製品を減らしてください。

  • DC外部給電システムの作動中は、冷却ファンの音がすることがあります。

  • 走行中はDC外部給電システムを使用できません。

  • 使用する電気製品によっては、周囲のテレビやラジオに雑音が入ることがあります。

  • 炎天下などで車内が高温になると、駆動用電池を冷却するために自動的にエアコンが作動します。エアコン作動中はドアとドアガラスを閉めると、効率的に車内を冷却することができます。

    このとき、エアコン画面に“電池冷却のため空調一定制御中”が表示され、エアコン操作スイッチの操作を受け付けなくなります。

    駆動用電池が冷却されたあともエアコンは自動的に停止しません。メッセージ表示が消えたあとにエアコン操作スイッチを操作すれば、エアコンを停止することができます。

  • 外部給電器に異常があるようなメッセージ(例えば“車両に異常がみつかりました”、“車両故障発生”など)が表示されても、車両の異常ではなく、外部給電器と車両間の通信異常である可能性があります。

    この場合、外部給電コネクターの端子故障(接点不良)などが考えられます。外部給電器に付属の取扱説明書を確認してください。

  • 電気製品を接続していない、もしくは使用していない場合でも、消費電力が表示されることがあります。これは外部給電器本体の消費電力を表示しています。

  • 燃料残量が少ないときは給電を停止します。

  • 給電中に排気排水管から水が出ることがありますが、異常ではありません。

アクセサリーコンセントの使用について

DC外部給電システムを使用しているときは、車内にあるアクセサリーコンセントからも電源を取り出すことができます。ただし、DC外部給電システムを車両側定格出力未満で使用している場合でも、DC外部給電システムの出力を優先させるため、アクセサリーコンセントの出力を停止する場合があります。

アクセサリーコンセントを使用したい場合には、DC外部給電システムで使用している電気製品を減らし、もう一度AC100V電源をONしてください。(→アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)

使用している電気製品を減らしても、アクセサリーコンセントは自動で復帰しません。

車から離れるときは

盗難を防ぐためにドアの施錠を確実に確認してください。

正常に給電できないときは

正常に給電できないときは

警告

DC外部給電システムを使用するときの警告

次のことを必ずお守りください。

お守りいただかないと、給電時に車両火災や感電事故などが発生し、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。

  • 傾いた場所や坂道などに停めて使用しない

  • FCユニットルーム内に顔や手を近付けないでください。ラジエーター冷却用のファンが急にまわりだすことがあります。ファンの回転部分にふれたり、近付いたりすると、手や着衣(特にネクタイ・スカーフ・マフラーなど)が巻き込まれるおそれがあります。

  • 可燃物や危険物を車両の近くに置かない

  • DC外部給電システムの使用中は、燃料充てんおよび洗車を行わない

  • 車両をカーカバーなどで覆った状態で使用しない

  • お子さまなど、不慣れな方だけで給電作業を行わない

  • 外部給電コネクターと外部給電アウトレットは、必ず直接接続する

    外部給電コネクターと外部給電アウトレットとのあいだに、変換アダプターや延長コードなどを接続しないでください。

  • 落雷の可能性がある天候のときはDC外部給電システムを使用しない

    使用中、雷に気付いたときにはDC外部給電システムを停止してください。

  • 外部給電コネクター、外部給電アウトレットの端子に金属製の鋭利なもの(ピンや針金など)を挿し込まない

  • 外部給電アウトレットの端子がぬれないようにする

  • 外部給電コネクター・外部給電アウトレットに異物がないか、または、雪・氷が付着していないか確認する

    付着している場合は、外部給電コネクターを接続する前にしっかりと取り除いてください。

  • 車庫内や雪が積もった場所など換気の悪い場所では絶対に使用しない

車両に給電ケーブルが接続されているとき
  • シフトレバーを操作しない

    万一、給電ケーブルが故障していた場合、シフトポジションがPからほかのシフトポジションに切り替わることがあり、車両が動いて思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。

DC外部給電システムがおよぼす影響について

ペースメーカー(植込み型心臓ペースメーカー/植込み型両心室ペーシングパルスジェネレータ)装着のお客様は、給電の操作はご自身ではなさらず、ほかの方にお願いしてください。

  • 給電時は、外部給電器、給電ケーブルに近付かないでください。給電により、ペースメーカーの動作に影響を与えるおそれがあります。

  • 給電中は車内にとどまらないでください。給電により、ペースメーカーの動作に影響を与えるおそれがあります。

  • ものを取るときなどに、トランクルームなど含めた車内に入り込まないでください。給電により、ペースメーカーの動作に影響を与えるおそれがあります。

注意

DC外部給電システムの故障を防ぐために
  • 急速充電器やV2H機器を使用して車両の充電はできません。

  • 外部給電アウトレットのキャップに強い衝撃を与えないでください。

  • 外部給電コネクターが損傷するおそれがあるので、使用中はボンネットを閉じないでください。

  • 外部給電コネクターを外部給電アウトレットに挿し込むときは、過度の負荷をかけないでください。挿し込み不足の原因になります。

  • 給電中に、外部給電コネクター・給電ケーブルに物をのせたり、引っかけたりしないでください。

  • 給電中に、外部給電コネクター・給電ケーブルを引っ張ったり、過度の負荷をかけないでください。

  • 給電中に、外部給電コネクター・給電ケーブルに異常な発熱を感じたらすぐに使用を中止してください。

DC外部給電システムの使用中は

給電ケーブルがボデーに接触すると、ボデーに傷や汚れがつくことがあります。給電ケーブルの取り扱いにご注意ください。

外部給電アウトレットについて
  • シールなどを貼り付けない

  • 警告ラベルを汚したり、はがしたりしない

給電状態表示

  1. 外部給電アウトレットにおけるおおよその消費電力
  2. 現在の消費電力で給電可能なおおよその時間
    給電を開始してしばらくのあいだ、給電可能時間が“--h”と表示されます。
    使用する電気製品や使用環境などにより、表示されている時間と実際の給電時間が異なる場合があります。

DC外部給電を停止するときは

  1. 使用している電気製品の電源をOFFにする
  2. 外部給電器を停止させる
    外部給電器の取り扱い手順に従って操作してください。
    パワースイッチをOFFにしても給電を停止できます。
  3. 外部給電コネクターのロックを解除し、外部給電コネクターを取りはずす
    外部給電コネクターの形状や取り扱い方法は、外部給電器によって異なります。外部給電器の取り扱い手順に従って作業を行ってください。
  4. 外部給電アウトレットのキャップを閉めて、ボンネットを閉じる
    車両の状態によっては、次回のFCシステム始動に時間がかかることがありますが異常ではありません。

知識

DC外部給電後にFCシステムが始動できなくなったときは

DC外部給電後のシステム確認が正常に終了しなかった場合は、ブレーキペダルを踏みながらパワースイッチを押しても、FCシステムを始動できなくなります。

次の手順で外部給電システム確認を実施してください。

  1. パーキングブレーキをしっかりとかけ、パワースイッチをOFFにする
  2. 外部給電コネクターを取りはずす
  3. 外部給電アウトレットのキャップを閉め、ボンネットを閉じる
  4. 2分間待つ
  5. パワースイッチをONにすると、マルチインフォメーションディスプレイに“外部給電システム確認のためボンネットを閉めてください 取扱書を確認”と表示されたのち、“外部給電システム確認中”と表示されます。外部給電システム確認中は、ボンネットを開けないでください。システム確認が終了すると、パワースイッチが自動でOFFになります。
  6. ブレーキペダルを踏みながらパワースイッチを押し、READYインジケーターが点灯することを確認する

外部給電システム確認を実施してもFCシステムが始動できない場合は、トヨタ販売店にご連絡ください。

注意

DC外部給電システムの故障を防ぐために
  • 外部給電アウトレットのキャップに強い衝撃を与えないでください。

  • 外部給電コネクターを外部給電アウトレットから取りはずすときは、過度の負荷をかけないでください。

  • 給電を停止するときは、使用している電気製品の電源を切ってから停止してください。

給電後の注意
  • 給電ケーブルがボデーに接触すると、ボデーに傷や汚れがつくことがあります。給電ケーブルの取り扱いにご注意ください。

  • 外部給電アウトレットから外部給電コネクターを取りはずしたあとは、必ず外部給電アウトレットのキャップとボンネットを閉める

外部給電アウトレットを開けたまま放置すると、外部給電アウトレットに水や異物が入り、故障につながるおそれがあります。